こんにちは、私はイタリア・ボローニャで医師をしているマッシモです。「犬」という新しい人生の目的を見つけて 10 年になります。私がここで言う犬とは、特に「柴犬」のことです。
はっきり言って最初は犬について何も知りませんでした。私の犬との経験はグレート・デーンに始まり、ジャーマン・ジェパードを経て、最後には家が狭いという理由でシーズーを飼うにいたりました。が、その後実は何年も動物を飼っていませんでした。
馬に没頭していた一時期は、馬に魅了されトレッキング、チームぺニング、ジムカーナとたくさんトライしました。当然馬を家に飼うことはできなかったので、馬と触れ合い自然との触れ合いを楽しんでいたような具合いです。
そして遂に 10 年前、娘が犬を飼いたいと言いだしたのをきっかけに、自分たちのニーズに最も適した犬種のリサーチを始めました。
まず、大きすぎず、かといってトイ犬ではないこと。また田舎での生活にも適応できる犬種であること、さらに重要なのが、愛情豊かで家族の一員となり得ること。これらの条件をすべて満たしていたのが、なんと「柴犬」だったのです。
ここから、もうひとつの人生が始まったのです。
こうして、1 頭また 1 頭と我が家にやってきた柴犬、奈穂号、夕顔号、松五郎号は、彼ら自身の成功とともに私の犬舎の成功にも繋がっています。彼らから生まれた仔犬たちは、イタリアを始めとするヨーロッパからオーストラリアの重要犬舎のみならず、数多くの一般家庭でもその一員として愛情に囲まれて幸せに暮らしています。
私の犬舎は、数は少なくても厳選された犬たちによる小さな犬舎です。犬たちはケージの中ではなく、家族の一員として生活します。これにはバランスの取れた性格と人間に対する慣れを養うという目的もあり、仔犬たちも産まれたときからこうした社交性を身につけていきます。
これは、私の妻であるダニエラの献身的な協力がなければ実現できないでしょう。彼女は生まれたばかりの仔犬たちにも十分な愛情を注いで世話をしてくれます。
さて、ここで「伊乃大鶴荘」の意味について解説する必要があるでしょう。
直訳すると「イタリアの偉大な鶴の家」ということになるのですが、日本文化の伝統において「鶴」は多くの重要な意味を有しています。例えば、「恩」、「幸せ」、「長寿」などです。日本でよく贈られる千羽鶴は、千年に渡る幸せと健康を祈り祝福するものです。一度、佐々木貞子さんのお話をご覧になってみてください。
これこそ私が意味するものです。犬舎「伊乃大鶴荘」で生まれた、そしてこれから生まれるすべての柴犬に、彼らがともに暮らす人達に幸せと長寿をもたらしてくれることを心らか期待しています。